【Tips】caDIY3D-Xでボルトを作る
こんにちは。
今回は「caDIY3D-X」小ネタの一つを紹介したいと思います。
caDIY3Dって何?って方はこちら。
DIY向けに特化したCADソフトのcaDIY3Dですが、ある程度のパーツはプリセットされているものの、ボルトなどのパーツがありません。汗
しかしながら、ちょっと工夫するとボルト(のようなもの)を自分で作って使うことが出来ます。
今回はボルトをパーツとして使うための手順を紹介したいと思います。
まずは作るボルトの規格を調べます
パーツを作るには、実物のサイズなどがわかっていないと作れません。ひとことでボルトと言っても、様々な太さ、長さがあります。
今回は、M8 x 60㎜のボルトを作ってみたいと思います。
ネットで「M8ボルト 寸法」で検索するとすぐに出てきますね。
六角ボルト(部品等級 A)の形状・寸法(JIS B 1180-1985 抜粋) | 三木プーリ
引用先を見ると、各部の寸法を知ることが出来ます。結構、細かく規定されていますね。caDIY3Dで使うボルトの場合は、大体のサイズ感があっていれば 良いと思うので、M8 x 60㎜のボルト場合、
s = 13mm、e = 14.38 ≒ 14.5mm、k = 5.3 ≒ 5.5mm、l = 60mm、φds = 8mm
くらいで作ってみたいと思います。
最初に頭の部分をモデリング
ボルトの頭の部分の厚み(k)は5.5㎜とするので何かで代用します。もちろん材料を新規に追加してもよいのですが、「合板」の「ラワンベニヤ」に5.5㎜厚のものがあります。こちらをワークスペースに追加します。
追加したベニヤの幅を6角形の(s)の半分、6.5mm、長さを(e)の14.5㎜に変更します。サイズを変更したら、斜め加工で30度ずつ端辺を傾斜させます。
出来たパーツをコピーして180度回転させてぴったりとくっつけます。これでボルトの頭部分は形になりました。簡単ですね。
軸の部分を追加して形状加工
ボルトの軸の部分(ネジの部分)を作ります。ネジの溝までモデリング出来ると雰囲気が出て良いと思いますが、DIYの設計にはオーバークオリティ(そもそもcaDIY3Dではモデリング出来ません...)。図面自体が重くなるので、単なる丸棒で代用します。
プリセットのパーツには8mm太さの丸棒は無いので、適当な南洋材丸棒を図面に追加し、直径8㎜、長さ60㎜に変更。
丸棒を垂直に立てるように回転して、6角形の頭の中心に乗せるように移動します。中心でスナップできるので、スナップさせるように移動しましょう。
丸棒の先の方(ボルトの頭の反対側)は、少し面取りすると雰囲気がいいので、「角を丸める」で0.5㎜、45度に落とします。
形が出来たので、一つのパーツに結合します。
ボルトの頭を構成する二つのパーツと、軸のパーツをすべて選択して、「形状加工」の「結合」を選択。一つに結合されていることを確認してください。
ちなみに、ボルトの頭を構成するパーツ二つを先に「結合」してから、軸の部分を貫通するようにレイアウトし、頭部分→軸の部分の順で選択してから「切り欠き」を実行すると、ナットも作れます。
各パーツをSTL形式で保存
caDIY3Dで作成したモデルを「STL」形式で出力することが出来ます。
「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択しましょう。
エクスポートのダイアログが表示されたら「STL」タブを選択。「STL」形式は3Dプリンタへの出力にも用いられますが、caDIY3Dのインポートパーツのファイル形式でもあります。
実寸で設計しているので「出力倍率の選択」では「1/1」を選択します。
「保存」ボタンをクリックすると、名前を付けて保存のウィンドウが表示されるので、名前に「M8ボルト」と付けて保存します。
※ 注意
エクスポート機能での注意点ですが、エクスポートされる形状は、現在のワークスペースで 表示されているものだけ になります。
先ほど、ナットも同じ図面で作成しましたが、ボルトとナットは別パーツとして扱いたいので、フォルダに分けて非表示にするか、一時的に隠すで、ボルトだけが表示されている状態にしてからエクスポートしてください。(ナットをSTLで保存する場合も同様です)
パーツとしてインポートする
あとは作ったSTLファイルをパーツのモデル情報としてインポートします。
パーツモデルのインポートの仕方はマニュアルなどを参照してください。
ざっくりとした手順で行くと、
- 「材料の追加」ボタンで材料追加モードに変更する。
- 画面上部の「編集」ボタンで編集モードに変更。
- タイプから「パーツモデル」を選ぶ。
- 「インポート」ボタンをクリックすると、ファイル選択ダイアログが表示される。
- ファイルを選ぶと詳細設定の画面が出るので、情報を登録。
といった感じです。
パーツとして登録しておくと、いろんな図面で再利用できるし、個数や重さ、価格の集計にも反映されます。
こんな風に簡単な形状であれば、caDIY3Dの機能だけでパーツを作ることが出来ます。
ネットで入手した3Dモデル(STL形式とOBJ形式に対応。ちゃんと使用条件は確認してくださいね!)もパーツとして利用できますので、表現力豊かな図面作成にぜひお試しください。
こちらの記事の図面にもボルトを使っています。