留め加工治具をDIY
こんにちは。
前回、マグネットシートを使った簡単な治具を作ってみたのですが 思いのほか 精度良く加工できることがわかりました。👍
今まで自作のテーブルソー主体で木材カットをしていたのですが、角度切りなどは微妙に精度が悪く、誤魔化しながら 💦作品を作ってました。
電動工具は正確な加工ができる反面、音も大きく危険度も高いので、手工具で精度よく加工ができるならケースバイケースで加工方法が選択できますね。
という訳で、マグネットシートを使った治具をいろいろと考えていたのですが、まずは留め加工治具を作ってみることにしました。
留め加工とは
冒頭の画像にあるように材料の端を45度にカットして突き合わせて作ったものを留接ぎと呼びます。よく、フォトフレームや額縁などにみられる作り方ですね。
この留接ぎを行うために45度に材料の端をカットすることを留め加工と呼びます。
これが 意外と難しい 加工なんですよ。
留め加工の難しさ
単純に45度にカットすれば良いという話なのですが、熟練した職人さんならいざ知らず、DIYでたまに作ってみようというレベルで、正確に材料を45度にカットするのは至難の業です。
しかも、フレームを組むには合計で 8か所の45度カットが必要。
わずかなズレでもぴったりとくっつけることは出来ません。隙間が出来たり、枠がひしゃげた形になります。
留め加工治具のアプローチ
そこで、治具を作って加工することで素人レベルでも正確に留め加工をやってやろうというのが今回のテーマです。
正確な45度に近づける為の治具を作る。というアプローチもあるのですが、 つじつまを合わせてしまえ というアプローチもあります。
つまり、対になる部材を最初に決めてしまい、片方が狂っても対になる材料を、それに合わせた角度になるように加工をしてやることで、90度を維持するという考え方です。
治具の構想図
ではつじつま合わせのアプローチをもとに作った図面がこちら。
薄い黄色の材料(土台)はMDF材を使います。MDFというのは中密度繊維板の略称で木質繊維を使った成型板になります。紙と木材の中間のような材料で木工の治具づくりによく使われる材料です。工業製品なので、平面性、直角性などが良く、90度のガイドをつくるにはもってこいの素材です。
土台にいくつか穴を開けていますが、ここにはFクランプで材料を固定する際に先端部分をひっかける為に穴を開けてみました。こういう治具を使う場合であっても材料の固定は必要ですからね。
材料の加工方法
加工する材料は、MDF板にくっつける形で固定してのこぎりでカットします。
まず対にすると決めた材料の片側(材料1)をのこぎりガイドの左側に配置してカットします。
つづいて、材料1と対になる材料2をのこぎりガイドの右側に配置してカットします。こうすることで、材料1の加工角度と対面する材料2の加工角度を 一致させる という訳です。
この考え方自体はテーブルソーを使ったフレームづくりで広く紹介されているテクニックから来ています。
テーブルソー用の同じ原理の治具は以前から使っているのですが、電動工具は一発勝負なので、ちょっとしたフレームならこちらの方が便利に使えそうですね。
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材料を準備
では、さっそく作っていきます。
材料を準備しました。
- MDF(12x200x200)1枚
- セリアで買ったマグネットシート(3x30x150)1枚
- 1x4の端材
完成!
作成途中の写真はありませんが、特に難しいことはしていません。基本は穴を開けたりビスで固定するだけです。
裏面はこんな感じになっています。
ビスでパーツを固定しているだけ。
結果は?
では早速テストしてみたいと思います。
対になる部材を決めて、AとBと名前を付けておきます。
まずは材料Aからカットします。
のこぎりガイドの左側に材料を固定。細い材料なので、MDFに当たるように材料を添わせてから、ばねクランプでフェンスに固定します。
続いて材料Bをカットします。
一応、墨線を引いてありますが、どこを切っても材料Aに合わせた角度にカットできるはず。
結果は、
かなりいい感じだと思います。
材料A-Bを隙間なく合わせて、スコヤにあてがうとちゃんと90度が出ています。カットのラインもまっすぐで美しいですね。原理的にはつじつま合わせですが、基本、45度でカット出来ているとは思います。
組み立てさえ慎重に行えば、構造自体に難しいところは無いですし、原理さえ同じであれば、形も自由なので、興味がある方はぜひ作ってみてください。
近いうちにフレーム形状を作る予定があるので、その際には活躍してもらおうと思います。
マグネットシートを使ったその他の治具の紹介は以下の記事です。